最近”土木のある風景”に?物が増えてきて,当初の構想とは少し違ってきた感がありますが...。
馬見ヶ崎川を県道防原−蔵王ダム線に沿って遡り,ホタルで有名な東沢ゲンジボタル保護地を越えてさらに進んで行くと,間もなく蔵王ダムが見えてきます。
蔵王ダムは,治水,水道用水,およびかんがい用水を目的として山形市内に建設されたダムで,昭和45年に完成しました。このダムは,全国的にも珍しい中空重力式コンクリートダムで内部は空洞になっており,この形式のダムは山形県内にもう一つ木地山ダムが在ります。
しかし,今回の主役はダムではなく,そのすぐ傍の道路の斜面上に在るこんな形をしたラーメン構造体だったりします。
ダムの左岸側,天端よりも20m位高い所に在り,かなり頑丈そうな典型的な梁・柱構造となっています。写真だと大きさが分かり難いのですが,ちょうど大きさも梁や柱の太さもJR新幹線の高架橋と同程度ではないでしょうか。
まるで清水の舞台のようにも見えるコイツ,一体何だと思いますか?
例によって”ご存知の方は是非お教え下さい”で落ちを付けようと思っていたら,なんと当社の中に知っている人が居ました。
結論からいうと,ダム堤体のコンクリート打設のために設けたケーブルクレーンの基礎だそうです。ダム完成後に撤去するかどうかで当時随分と議論になったそうですが,結局はレール等の鋼材は撤去されたものの,基礎はそのまま残されることになったそうです。
構造自体は今でもしっかりとしているので,ちょっと手を加えれば展望台とかイベント会場とかに利用できそうなので,ちょっと勿体無い気もします。
なお滋賀県蒲生郡日野町にも,同じ”蔵王ダム”という名前のダムがありますが,こちらはロックフィルダムとのこと。