クリープ:応力一定の下でひずみが増加する現象
応力緩和:ひずみ一定の下で応力が低減する現象
と,書いてしまうと何となく分かった気になってしまうのですが,じゃあ何で?と言われると,実は何も分かっていないことに気が付きます。
1997年にこの論文の図-1(時間依存性の説明)を初めて見たときは,とても感動しました。この図にはクリープや応力緩和が分かり易く示してあります
この図の説明部分を以下に引用します。
”ひずみ速度が限りなくゼロに近い状態で得られた応力−ひずみ曲線を曲線Aとして表現している。(このような状態を平衡状態と呼んでいる)。あるひずみ速度で原点Oから点Pまでせん断し,その状態で応力を一定に保持すると,ひずみは曲線Aで示した応力−ひずみ曲線に時間の経過に伴い進行し,曲線A上の点Qでひずみの変化は終了することになる。この現象がクリープ(破壊を伴わないクリープ)である。”
いずれにせよ曲線A上が最終的な落ち着き先となるので,曲線A上のピーク値点Mより大きな応力の下では行き着く先が無く,結局破壊するより仕方無い,ということなのでしょうか。
出典及び関連文献
西 好一:「軟岩のクリープ特性」
応用地質,第38巻,第5号,p304-311,1997