粘土の経時効果

今回は直接何かの役には立たない”小技”ですが..


下の図は,別頁の軟岩のクリープの説明で使った図です。

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これを,軸を入れ替えて表示すると,下図のようになります。

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ある点Aの応力状態を一定のまま長時間保つと,最終的に平衡曲線上のBへとクリープによりひずみが増加します。そして再度応力を変化させると,前の曲線上の点Cの状態へと変化します。

この曲線,何かに似ていると思いませんか?

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この図は, Bjerrum,L. が提唱した粘土の経時効果 (Delayed Compression) の説明図です。

点Aから点Bに正規圧密した後,応力状態を保ち長期間経過すると,二次圧密によるクリープで沈下して,点Cに移動します。その後再度載荷すると,点Dを経て点Eに正規圧密されます。このため正規圧密したはずの粘土が,長期間経過すると過圧密粘土のように振る舞うので,これを疑似過圧密と呼んでいます。


頭の中では全然別のものという意識であった粘土の圧密と軟岩のクリープが非常に良く似たイメージの曲線を描くのがとても面白いと感じました。

でも考えてみれば,軟岩って元々は超過圧密な粘土のことなんですよね。