2次元FEM解析における補正1

2次元FEM解析を行うとき,実際の現象は3次元なので,標準断面的な構造が奥行き方向に連続している場合以外は,何らかの補正が必要となります。

 ここでは,杭基礎の橋脚を想定して3次元効果を補正する一手法についてまとめてみました。


この場合,解析結果に誤差を与える大きな原因として,以下の2つが考えられます。
(1) 1本の杭を支える地盤の分担幅は,杭径の2〜3倍に及んでいる。
(2) 2次元FEMは単位奥行き長さによる解析であるが,実際の杭は飛び飛びに配置されている。

(1)に関しては,杭間隔も杭径の2〜3倍である場合が多いことから,一般的な杭配置であれば基礎幅(奥行き方向)で均等に荷重を分担すると仮定することで概ねキャンセルできるのではないでしょうか。但し,杭が1本の場合や,杭間隔が疎な場合には注意が必要となります。

地盤の分担幅

(2)に関しては,実際の杭と,解析モデルの杭(基礎幅全体に杭があるイメージ)の剛性が等価となるように補正する必要があります。

杭のモデル化

この際,EAまたはEIのどちらを等価にするかは,ケースバイケースで(気分で? ;-P)決定しています。むしろこの辺りが各技術者の判断によるところが大きいので,ご意見を伺いたいところでもあります。

以上の2点を補正することで,杭基礎の構造物の変形を2次元でも概ね再現することが可能となると考えています。(比較的小口径の杭であれば,単純に梁要素で表現する方法もあります。地盤と杭との間にジョイント要素や回転バネを設ける場合はこちらの方が簡単ですね。)