タイトルを見て”何だこれは?”と思われた方も多いと思いますが,今回は隠し球だった現在進行形のネタの公開です。
これは,とある学術学会の査読付きの論文に投稿してボツになった原稿です。ボツったものを晒すのは,私もエンジニアの端くれなので,とても恥ずかしいのですが,この際なので公開します。
>>液状化によるマンホール浮き上がりの原因と土のうを利用した対策の提案 (PDF形式;584KB)
言い訳ではありませんが,投稿した時点で採択される可能性はかなり低いことは覚悟していました。その理由は,内容のレベルという訳ではなく,論文の内容が完全にアイディアのみであり,実験,解析あるいは現地調査などによる数字等のデータや実証が全くない”定性的な思い付き”でしかなかったことが大きいと自己分析しています。
読んでいただければ多分ご理解いただけると思いますが,時期的なものと背景から,そのリスクを承知の上で,それでもそのタイミングで投稿せざるを得ない事情がありました。
2004.10.23に新潟県中越地方を震源とした最大震度7の直下型地震が発生し,大きな被害が発生しました。
この論文は,震災後約2週間ほどで構想をまとめ,震災後約1ヶ月後に投稿したもので,正式な原稿受理日は2004.11.29となっています。
念のために明言しておきますが,2004.11.22に国土交通省から”「管路施設の本復旧にあたっての技術的緊急提言」(下水道地震対策技術検討委員会とりまとめ)について”が発出されていますが,この論文はそれ以前に完成したものであり,その提言を読んでから書いたものではなく,またこれに対して含むところは全くありません。
下水道工事は主に市町村の発注であり,地元の中小の工務店等が施工する場合が多いので,対策工法を一般的(レギュラー)な工法とするためには,具体的な施工管理あるいは工法規定レベルまで落とし込む必要があるだろう,というスタンスを軸に作成したらこのような内容の論文となったのです。
可能であれば,実験や解析,あるいは現地調査を踏まえて,数字や事実の裏付けのある論文に仕上げてから投稿したかったのですが,地方の零細コンサルタントではそれを実現できる環境を整えることは人,物,金の全ての面で至難の業です。手に入らないものを待ちつづけて,ただ時間だけが過ぎアイディアを風化させる位なら,ダメもと覚悟でと投稿したのですが,やはり正規の論文として採択されるのは,そんなに甘くありませんでしたね。正直かなり悔しいです。
落ち込んでいても仕方ないので,査読のない何かの発表会,あるいは”論文”ではなく”報告”とするなど,いずれにせよ何らかの形で近いうちに改めて対外発表するつもりです。
もし,この技術の実用化に興味のある企業,研究機関,行政機関等の方がおいでになりましたら,連絡いただければ嬉しいです。ちなみに”マンホール埋設構造”として既に特許出願中(特願2005-3802)ですので,念のため。(この辺が隠し球にしていた理由だったりします。)
ここから先はタイトルに関する余談となりますが,実はすでに工法の名前も考えていたりします,その名も”DONOU工法”です。
そのまんまやん?,と思った貴方,考えが甘かったりします,そこにはかなりマニアックなうん蓄があるのです。
"GNU's Not Unix!"という言葉をご存知ですか?
フリーソフトウェアによりUnixライクのオペレーティングシステムの開発を目指しているGNUプロジェクトを立ち上げたFree Software Foundation (FSF)のRichard Stallmanの言葉です(だったと思います,違っていたら御免なさい)。
曰く"What's GNU? GNU's Not Unix!"なんだそうで,"GNU's Not Unix!"というフレーズの中でG,N,Uという文字が入れ子というか回帰的に使われています。向こうの人たちは,この手の言葉の遊びが好きみたいですね。なお,詳しくはこちらをご覧下さい。
こういう遊びってちょっと真似してみたくなりませんか?
そっちが"GNU's Not Unix!"なら,こっちは"土のう is Not Unix!"⇒(DOnou is NOt Unix!)だっ!
・・・確かに・・・土のうはUnixではないけれど・・・これでもDONOUになるけれど・・・,これではあまりに芸がない。
そこで考えました,
"土のう,for No Uplifting!"で,"DOnou, for NO Uplifting! ⇒ DONOU工法"
個人的には結構気に入っているのですが,如何?
"DONOU工法",何とか実現したい,と考えています,本気で協力者募集中です。
地方の零細コンサルタントのエンジニアの意地と心意気,気分はプロジェクトX。